内容紹介

「本とは、樹木である」
AI時代に「自分で書く」意味を問う。
ひとり出版社の代表が贈る、書いて生きるためのインサイドストーリー。

 

ライター25周年、ブックライターとして70冊以上を手がけてきた集大成。
誰に何を伝えたいのか、自分は何をしたいのか――。
自らの思いの根を張り、「自分で書く」ことを通して人生を主体的に生きるヒントを届けます。

 

【本書の読みどころ】
◉本=樹木:根(思い)を張るからこそ、幹(主題)が育ち、枝(章・節・項)が伸び、葉(言葉)が生い茂る。文章の技術以前に大切な「書くことの本質」について考えます。
◉身体性の価値:AIには真似できない、自らの身体を現場に運んで得た「一次情報」の価値、そして紙の本という物質が結ぶリアルなコミュニケーションの可能性を考えます。
◉実践と責任:身銭を切り、リスクを負って地方でひとり出版社を営む著者だからこそ語れる、「自分で書く」ことを通して人生を主体的に生きるためのヒントを伝えます。

 

【こんな読者に届けたい一冊です】
・本やZINEのつくり手、書くのが好きな方、出版の世界に興味のある方
・情報に流されず、自分の人生を主体的に生きたいと願うすべての方へ

目次

はじめに

 

第一章 それは、根を張るということ
何を伝えたいのか
根を張ると、幹が育つ
フラクタルで軸の強度を高める
綴じる、という不可逆の覚悟
情報は、綴じられた瞬間に構成を求める

 

第二章 それは、考えるということ
書くことは、考えること
考える力点を考える
思考の外注に学びはない
AIは客観的な視点を得る道具

 

第三章 それは、走るということ
身体を使って一次情報を取る大切さ
#感覚の言語化
手でものをつくる
手をつなぐ

 

第四章 それは、生きるということ
責任を果たす
志を立て、自分の人生を生きる

 

おわりに

 

【付録】自分で書くための小さなヒント
01読まれる文章を書くために意識していること:「Why」と「主体性」
02読まれる文章を書くために意識していること:「相場観」
03最初の一行をすっと書き始めるためのコツ:「パズルのファーストピース」
04わかりやすい文章を書くためのコツ:「が」の使い方と矢印の法則

はじめに

本とは、樹木である。

そう言われてピンとくる人は少ないかもしれません。

ですが、ライターになって二十五年、ブックライターとして七十冊以上、文章や本を書く仕事を続けてきた私にとっての現時点での結論です。

 

ただ美しい言葉を並べること。効率よく情報を整理すること。

そんなことはAIに任せてしまってもいいでしょう。

 

私が本書で伝えたいのは、もっと本質的な「根」の話。「誰に何を伝えたいのか」「自分は何をしたいのか」という、人間にしか抱(いだ)きえない、ごまかしのきかない話です。

 

根を張ってもいないのに、葉を茂らそうとするのは枝葉末節。

根を張る、つまり思いを抱く。すると幹や枝は自然と生長し、葉はおのずと生い茂ります。

言葉(葉)は結果であり、手段でしかない、というのが私の考えです。

 

では、結果にすぎない言葉を扱うために、何を大切にすべきなのか。

あえて「自分で書く」意味があるとすれば、それは何なのか。

 

この問いに対する私なりの考えを、そのまま本書の構成にしました。

 

自分で書くということ

それは、根を張るということ

それは、考えるということ

それは、走るということ

それは、生きるということ

 

本やZINEのつくり手はもちろん、本が好き、文章を書くのが好き、さらにいえば、情報に流されずに自分の人生を主体的に生きたいと願うすべての方へ。

 

書くことは、考えること。考えることは、生きることそのものです。

AIがどれほど賢い答えを提示してくれても、AIが責任をとれるわけではありません。

自らの頭で考え、志を立て、決断して行動し、実践してこそ、人生は面白くなる。私はそう思います。

 

「自分で書く」ことを通して、自分の人生を主体的に生きる。本書は、そのためのヒントをお伝えする本です。

本書が、皆さんにとっての「自分で書く」意味を考えるきっかけになれば幸いです。

著者プロフィール

高橋雄大(たかはし・たけお / 本名:高橋武男) 
1977年兵庫県加東市生まれ。関西外国語大学卒業。コピーライター、書籍編集者を経て、2008 年にフリーランスの編集ライターとして独立。ビジネス書のブックライターとして70 冊以上の執筆を手がける。2014 年に加東市にUターン移住し、以降、田舎と都会を往復しながらライター活動を継続。2020 年、スタブロブックス株式会社を設立。著書に、『奇蹟のネジ』(発売元:幻冬舎)、『波の章』(高橋雄大名義、PHPエディターズ・グループ)など。